黒桜~サヨナラの前に~


皆に笑いかけながらお礼を言って、幹部室に向かう。



「3人とも~、お待たせぇ。」


ドアを開け、中に入ると3人がいつも座っている席に大人しく座っていた。


「あ、やっと来た。」


「すまねぇ、この二人に図書室で勉強教えてたんだよ。」


「そうなんだぁ。」


「もぉ、疲れたよぉ!……ん、そうだっ!」


楓が自分用の椅子に鞄を放り投げ、部屋の角にある棚の方に走っていった。


……何してんだろ。何か思い付いたのかな?


ていうか、可愛い。


皆が走っていった楓を見て、待ってるけど戻ってこない。


「……そうだ、舞娜、ちょっといい?」


「ん?……うん?」


その間にみぃが立ち上がってあたしに話しかけてくる。



みぃが幹部室を出ていくから、あたしもみぃに続いて幹部室を出た。



「なに、どうしたの?」



「あのね、最近繁華街行ってないじゃん?」



「あー、確かに。」


黒桜の仲間になってから、1度も繁華街には行ってなかった。





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