Kissの温度
私は自分の席に戻り
カップを持ったまま
自分の左手を
ぼーっと見つめていた。



たいした火傷ではなかったので
医務室には行っていない。



それより…
キスされた唇が
火傷したみたいに熱かった。



それにしても……
さっきのはいったい何?!
うちの会社の人?
でも見たことない顔だった…
違う部署の人かな?



あれこれ考えが頭を巡る。



やっと1ヶ月前の夜のKiss事件
(私はそう呼んでいる)
忘れかけていたのに
また………



外国じゃあるまいし
日本ってこんなに
フレンドリーに
キスされる国だっけ…



私の頭の中は混乱気味だった。



そこへ部長の声がフロアに響く。



「お〜い、みんな
ちょっと集まってくれ。」



私はその声で我に返り
カップを机に置き席を立った。



‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥
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