Kissの温度
『あっ…えっと…
たいしたことなかったから…』
そう言って掴まれている
手を離そうとしたが
彼にしっかりと握られていて
離れなかった。
「なんだ、責任とって
欲しいのかと思った…」
『えっ!?
そんな事思ってないから!』
「そんな必死に否定するな…
冗談だよ。」
彼はふっと笑うと
握りしめていた私の手を
そっと離した。
冗談って……
この人といると
なんだか調子が狂う……
私は上目使いに
彼をちらっと見てから
軽く頭を下げ帰ろうとした。
「怒るなよ。悪かった。」
再び腕を掴まれる。
『別に怒ってませんから…
腕離して下さい。』
くるっと振り返り
彼の顔を見ると
少し不安そうな顔で
私を見つめていた。
なんで
そんな顔で見るの……
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