Kissの温度

本城さんが静かに口を開く。



「遥に話しておきたい事が
あって…」



『…な‥に？』



私の声は少し震えていた。



何となく本城さんの顔を
見る事が出来なくてうつむく。



そんな私の横顔を見つめながら
本城さんは話しを続けた。



「どうせばれる事だし
俺の口から言っといたほうが
いいと思ってね…」



その言葉に
私は少し顔を上げ
ちらっと彼を見た。



本城さんは言いにくいのか
複雑な表情をしている。



『何ですか…？』



答えを促すように
私はもう一度問いかけた。



彼は覚悟を決めたように
口を開いた。



「実は……
うちのに子供が出来たんだ。」



『えっ……』



思いがけない発言に
一瞬頭がついていかない。



「会社に話せば
遥の耳にも入るだろ。
だったら先に
俺から話しておきたくて。」



意外とショックを
受けている自分に少し驚いた。



『あっそうなんだ…
おめでとう…ございます…』



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