Kissの温度
4.トリプルKiss(仮)
次の日の昼休み。



「遥?ねぇ遥ってば
聞いてるの?」



『えっ?!』



綾が私の顔の前で
手を左右に振っていた。



昨日の出来事がまだ頭から
離れず、今日の私は朝から
ぼーっとしている。



奥さんに子供が出来たと
告白した本城さん。



そして出会ったばかりの
私を好きだと言う暁。



二人の事が頭の中を
ぐるぐる廻っていた。



『ああ、ごめん。で、何?』



「大丈夫?こないだも遥
変だったけど。何かあるなら
話し聞くからね。」



綾が心配そうな顔で私を見る。



『ありがと。でも大丈夫。』



私はとりあえず笑顔を返した。



「あのね、今日の夜は
空いてる?」



『う〜ん、大丈夫かな。』



「よかったぁ。亘くんと昨日
話してて、今日はどうかなって」



綾は少し頬を赤らめながら
話していた。



『うん、別にいいけど。
って事は昨日二人で飲みに
行かなかったの?』



「えっ?い、行かないよ!」



赤い顔をして大袈裟に顔を
左右に振る。



『なんだ、行かなかったんだ。』



「と、とりあえず仕事終わったら
いつものお店に集合で。」



『うん、わかった。』



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