Kissの温度
「なんか、ホント仲いいねぇ」
(はっ?綾何言ってるの?)
『ホント違うからっ!』
「神野さんってもの好きですね」
さっきまで静かだった亘は
ビールをグイっとあおると
「おかわり下さい!」
と大声で叫んだ。
『ちょっと亘、もの好きって
どうゆう意味よ!』
私は亘を睨みつける。
「そのまんまの意味だけど」
そう言って亘は私から
視線を逸らした。
「ふ〜ん。そうゆう事。」
隣りで嵐が声を上げる。
『何がそうゆう事なの?』
私が嵐に聞き返すと
「なんでもないよ。」
嵐は私を見て意味深に笑う。
(なんか、あやしい…)
ビールを一口飲んだ嵐は
亘を見て話し出した。
「向井さん、俺ね自分の気持ち
には正直なんですよ。
じゃないと先に誰かにもってかれ
ちゃいますからね。」
私の顔をちらっと見ると
嵐はニッコリ微笑む。
「でもさ、遥って色気とか
ゼロじゃないですか。
どこがいいんですか?」
亘は料理をほおばりながら
またまた失礼な事を言い放つ。
『あんたねぇ〜、殴るよ!』
「ほらっ!色気ゼロ。」
ケラケラ笑う亘に手を振り
上げると、
「二人って仲いいんだな。」
どこか冷めたような声で
嵐が呟いた。
すかさず綾が言い返す。
「神野さん。この二人って
いっつもこうなんですよぉ。
なんか姉弟みたいな感じ。
ねっ、遥。」
綾がニコニコしながら
私に言葉を振った。
『あ〜そうだね。亘は弟っぽい
かなぁ。』
「なんで俺が弟なんだよ!」
ちぇ〜と言って亘はむくれる。
その後はいろいろな話題で
盛り上がり、楽しい時間を
4人で過ごしたのだった。
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