Kissの温度

『じゃあ亘、綾の事お願いね』



二人は帰る方向が一緒なので
自然とそうゆう流れになる。



「ああ、わかった。遥は
大丈夫かよ。」



亘が心配そうに私を見つめた。



「それなら心配しないで下さい。
俺が責任もって遥の事、家まで
送り届けますから。」



嵐が私の肩を抱きながら言う。



「ああ〜神野さん送りオオカミに
なるんじゃないですかぁ〜」



少しほろ酔い気味の綾が
茶化すように声を上げた。



『ちょっと、綾っ!』



「そうかもしれないですね。」



ニヤリと笑う嵐を押しのけ



『私、一人で帰るから!』



そう叫び私はスタスタ歩き出す。



「あっ、こら待てよ。」



嵐は私を追いかけようとして
一度足を止めた。



「お二人とも今日はありがとう
ございました。楽しかったです。
お疲れ様でした。失礼します。」



丁寧にお礼を言った嵐は
慌てて私の後を追いかけた。



「遥も神野さんも気をつけてぇ」



綾は大きく手を振りながら
私たちを見送っていた。



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