Kissの温度
なんでこの人はそんなに
私の事を…?



昨日会ったばかりなのに
こんなにもストレートに
私に気持を伝える嵐に
少し胸が高鳴る。



(ん?なんか最近モテ期
なのかな?)



ついこの間も、こんな風に
会ったばかりなのに、私の
事を好きだと言った人を
思い出す。



「おい、聞いてるのか?」



不意に頭を上げた嵐の顔が
予想以上に近くてドキっとした。



『…………』



私はなんて答えていいのか
わからず、ただ嵐を見つめる。



私たちの唇はあと数センチで
触れそうな位置にあった。



(やばいかも…)



嵐の唇を意識しだした私は
急激に胸の鼓動が速くなる。



目を逸らしたいのに
真っ直ぐ見つめる嵐の瞳が
キレイで目が離せなかった。



「遥…好きだ。」



嵐の少しかすれた声がした瞬間
私たちの唇は重なり合った。



『…んっ』



微かに聞こえる人の声と
車が走り去る音。



それも徐々に私の耳からは
消えていき、ただ聞こえるのは
お互いの熱い吐息だけだった。



嵐の気持が唇から伝わり
胸が熱くて切ない。



気がつくと私は嵐の腕の中に
すっぽり抱きしめられていた。



ほのかに香る煙草の匂い。



嵐の腕の中もまた居心地よくて
とても私を安心させた。



‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥
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