初恋 start over
初恋は実らない
【美沙side】
「美沙ぁ、起きてーっ!遅刻してもいいのーっ?!」
私がいる2階の私の部屋まで響くお母さんの声。
眠いのに・・・。
私は眠り眼の目をこすりながら起き上がって階段を下りた。
「このにおい・・・」
1階に下りると、私の鼻に私の大好きなハチミツの匂いがした私は急いでリビングに向かった。
「やっぱりっ!」
リビングの机の上には、私の大好きなホットケーキが置いてあった。
早く食べないとっ!
遅刻しちゃうっ!
「いっただきまぁすっ」
私は両手をパンっと合わせてフォークに手をつけたとき・・・
「姉ちゃん、それ俺のっ!」
私の2つ下の弟、零が私の持ってたフォークを取りあげた。
「私のはっ?!」
「姉ちゃんのは無いよ、遅刻するだろ?」
「零も遅刻するじゃんっ!」
「俺、今日休むから遅刻しねーよ」
「休んでいいの?!」
「俺の彼女がウザくなってきたからさぁ、別れよって言ったらビンタされたし学校行くと、その人に会うからイヤ」
はぁっ!?
弟は顔がいい線いってるのか知らないけど、学校では、先輩からも同級生からも、スゴくモテる。
性格は、本当に最悪な弟。
それは私が一番わかってるつもり。
弟が性格悪だったのは、小さい頃からそうだったから。