ちび太とゴリさん。
けれど、こんな先程までの王子様気質なヤツなんて私の記憶にいない。
今はあれだけど……私がここに連れてくる前までは、俗に言うキラキラ王子様って言葉がピッタリだったんだ。
そんなヤツが私の記憶にいたとすれば、間違いなく私は覚えているはず。
なんせ、私はそんな胡散臭いヤツが目障りで嫌いだから。
けれど全く、1ミリも思い出せん。
「……ごめん。私お前の事知らない」
「そっか……」
ヤツは見るからに項垂れている。