ちび太とゴリさん。


「そうだよね……俺影薄いし、昔っから地味だったし、名前とちがって全く爽やかじゃないし、弱虫だし、泣き虫だし、もう、人間のクズだもんね」



「えっ…いや、なにもそこまで言ってないんだけど」



え、え、え。

何このネガティブ発言。



「いいの、分かってるから。こんな俺が人様の記憶に残ろうだなんて図々しい事ぐらい分かってる。俺調子乗りすぎたよね」



「いやいやいや、私本当そんな事1ミリも思ってないし。思わなかったし!!元気出そうよ、ね??」



なぜか私が励ましている現状。

なんか、こんな事前にもあったような……



教室で泣いている、背の小さな男の子。

その男の子を私は不器用ながらも一所懸命励ましていて。

けれど、当時の私は何を言っても男の子の墓穴しか掘らなくて、余計に泣かせてしまった事。



その男の子と私は、性別をお互い間違って生まれてきたって揶揄われていた。



男の子は、弱虫で、泣き虫で、怖がりで、ネガティブ。

おまけにちびだから……ちび太。



ちび太って……確か名前は……

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