ちび太とゴリさん。
チリリリ…チリリリ──
6時にセットしたアラームが部屋いっぱいに鳴り響く。
「ふぁぁぁ」
慣れない早起きに、大きなあくびが出てしまう。
「妃?起きたの?朝よー」
ドアの向こうからは、母親の声。
その声に、適当に返事をして起きてますアピールをする。
だんだんと視界がはっきりし、私の視界には真新しい制服が入ってくる。
そう、今日から私は高校生なのだ。
中学生までの自分なら、寝起きのまま、寝ぐせが付いていようが髪を縛れば関係ない。
顔さえ洗っていれば良いだろう。そんな考えの私。
もちろん、そんな奴が私の周りにいるかと言われれば……間違いなく私だけ。