ちび太とゴリさん。
登校1日目。
それはとてつもなく濃くて、濃厚で、一気に寿命が5年は減ったような気がした。
やっと初登校日も終え、私は寮へと足を運んだ。
他の生徒はみんな昨日から寮生活が始まっている中、私はキャリーケースを引きずって寮母さんへ挨拶に向かう。
「初めまして、今日からお世話になる宇佐美です。よろしくお願いします」
疲れが限界に達しているが、初対面の相手への挨拶は第一印象を決める大切なモノ。
私は飛びっきりの笑顔を寮母さんへと向ける。
「あら、初めまして。貴方が宇佐美さんね。入寮が遅くなってしまってごめんね」
寮母さんは申し訳なさそうに眉をひそめる。
「気にしないで下さい!大丈夫ですので」
マジで今日一日でどんだけ笑顔作ってるんだよ。
ざっと1年分は笑ったよ。
笑いすぎて表情筋がすでにいてぇよ。