ちび太とゴリさん。
「部屋の空室が出来次第、連絡はもらえますか?」
「それはもちろん」
なんだか、私を抜きにしてどんどん話が進んでいるんだが。
もうここまでくれば、流れに身を任せるしかない。
「それまで、宇佐美さんは俺と相部屋でお願いします」
「ふぁっ!??」
てっきり、私がお願いしない限り部屋は追い出されると思っていたから……
意外な言葉に開いた口が塞がらない。
「宇佐美さんは嫌かもしれないけど、このままだと部屋無しだから我慢して下さい」
「はい……」
自分でもビックリするくらい素直に〝はい〟と答えていた。
「では、そういう事でお願いします。では、失礼します」
ちび太は寮母さんに、頭を下げると部屋を後にしたため、私も慌てて後に続く。
私の半歩前を歩くちび太の背中は、心なしか大きく見える。
あの対応力と、私と相部屋になる事を了承してくれる心の広さ。