ちび太とゴリさん。


本当にあのキノコなのか。

本当にあのちび太なのか。

疑ってしまう。



それ程まで、別人のようだった。



てか、てか、そんな事を考えるよりも、今するべき事があるだろ自分!!!



私の事なのに、まるで自分の事かのように対応してくれて。



私を助けてくれて、まずは〝ありがとう〟だろうが!!!

だが、ありがとうって言葉はどうも言い慣れない。

それでも勇気を振り絞って呼ぶ。



「なあ」



いやああああ!!

なにが〝なあ〟だよ。



助けてくれた人に対して呼び止める言葉がこれとかあり得ないだろ!!!

こんな時は可愛く、〝蒼柳くん!〟とか名前を呼ぶべきだろが。



私は自分の失態に頭がくらくらして、壁に寄り掛かる。



「どうしたの…?具合…悪い…?」



「心配は無用」



そうじゃなくて、そうじゃなくて!!!!

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