ちび太とゴリさん。


幸運にも葉月の後ろの席。

おまけに1番後ろの窓側から2列目。

出来る事なら窓側の一番端の列が良かったが…こんな好条件の席に文句なんて付けられない。



「隣だれかなー」



葉月はまだ来ていない、隣の席の主を気にしている。

一方私はと言うと、隣なんて誰でもいい。

どうせ愛想を振りまくうちの一人に過ぎないから。



「あっ!私の隣唯斗くんなんだね!!」



どうやら葉月の隣は唯斗だったらしい。



そして──



「あっ……」



横から妙に聞き慣れた声が聞こえてくる。



マジかよ。

そこには、ちび太の姿。



「ゴっ…妃ちゃん、そこの席、なの?」



「うん。そうだよ!」



座ってんだから聞くまでもねぇーだろうが!!と意を込めてとびっきりの笑顔を向ける。

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