ちび太とゴリさん。


ちび太の後をコソコソついていくのは、さすがに気持ち悪い。



だから仕方がなく声を掛ける。



「よう」



こんな時、自分の第一声が可愛くない事なんて百も承知。

きっと世の女性は、ここで相手の名前を呼び、上目遣いをするのだろう。



けれど私がした所で、ただの脅迫。

おまけに上目遣いなんて、睨んでいると思われるだけで、可愛さのかの字も無い。



そう言えば…



「なあ、ちび太」



私が名前を呼べば、分かり易いくらいビビるちび太。



「な、なに…?俺何かゴリさんにしたかな…?」



は??何故に私が名前を呼んだだけで、その思考に繋がるんだよ!?

まぁ、そんな日常茶飯事の事なんて放置、放置。



「お前って、アイドルか何かになるつもりなの?」

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