ちび太とゴリさん。
「ちび太…ごめん」
「ん。いいよ」
そう言うと、優しく私を解放した。
なんだか少し寂しく感じるのは、きっと私が半そで短パンで肌寒いからだろう。
バサッ──
それを見越したアイツは、私にブレザーを寄越した。
「あ、ありがと」
ブレザーからちび太の匂いがする。
慣れているはずの匂いに、なぜか緊張してしまう。
「ねぇ、1つ聞いていい?」
「何?」
「なんで俺が死ぬって発想になってるの?」
「……帰ってこないし、連絡つかないし、お前弱いし、拉致られてんのかもって」