ちび太とゴリさん。
昔から背が周りの女子よりも低くて。
虫も苦手で、お化けなんてもっての外。
とにかく泣き虫で、怖がりで、弱虫で。
おまけに超ネガティブ。
そんな俺が人生でたった1人、好きになった女の子が居た。
彼女はこんな俺とは真逆で、背も高く、強くて、何よりカッコいい。
彼女は俺の憧れだった。
そう、彼女の名前は…
宇佐美妃、みんなから〝ゴリさん〟と煙たがられる彼女だった──
小学校6年間ひっそりと想いを募らせてきた。
そして、高校生になり再会を果たしたのだ。
俺の高校生活は、こんな俺でも神様や奇跡を信じてしまうぐらい、ゴリさん一色に変わって行った。