ちび太とゴリさん。
その言葉にちび太はどこか嬉しそうに、はにかんでいる。
「妃ちゃんは?」
「へっ?」
突然唯斗に話し掛けられ、腑抜けた声が出てしまう。
「勉強得意??」
この場合…得意って答えた方が好感度アップに違いないが……
生憎そんなウソを付けるだけの、学力を持ち合わせていない。
「ちょっと、苦手かな…へへっ」
〝ちょっと〟と言い、少し見栄を張ってみたり、微笑んで誤魔化してみるものの…
ただ虚しいだけだ。
「私良い事思いついちゃった!!」
葉月がいきなり手をポンッと叩き言った。
「テスト前だし、みんなで勉強会しようよ!!」