あの日の桜を胸に

「お前ん家ってまさか金持ち？」


警視総監が身内にいる時点で金持ちじゃないって方がおかしいと思うけどね



「…さぁ？どうでしょうね」



こういうのは曖昧に流す方が楽



「どうぞ、上がってください」


そういうとみんな上がってリビングに行ってしまった。



ただひとりを除いて



「どうして敬語なの？」



同じ質問を２回もするなんて趣味が悪いわね



「さっきも言いましたよね？癖なんです。蒼翔さんって意外と覚えが悪いようですね」



そういうと彼は眉間にシワを寄せた



あらら、キレやすい性格までアイツにそっくり


ほんとに偶然は怖いわね



「嘘の情報は覚えないようにしているんだよ」



チッ、こいつ私が嘘をついてることに感ずいてるのね


「別に、嘘なんてついてませんが？」