あの日の桜を胸に
「ありがとうございます、ではそろそろ失礼します」


そうなんだ。あの人がねぇ〜…


「どうしたの?なんか暗い顔してるけど…」



あれ?そんな顔してたんだ


やっぱり気になるものなのかなぁ?


「大丈夫ですよ。」



とりあえずみんなが帰ってからママに電話しよ



「……そう?じゃあ帰るね。バイバイ」



「はい、さようなら」


こうやって何も聞かないでいてくれるのがこんなに嬉しいなんてね。

やっぱりここはいいなぁ…


こんな暖かい場所に入れる私は幸せだなぁ



みんながゾロゾロと帰っていき私はママに電話しようとしたその時



プルルルルル


電話がかかってきた


「もしもし?」


『私よ』


その声は私が今から電話しようと思っていたママで……


「ママ?」


『そうよ、さっきねすずちゃんから電話がかかってきたわ。あの人のこと…話したいから1度帰ってきてくれないかな?』


そうよね…私のことだもん。帰らないと、いけないよね?
< 60 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop