あの日の桜を胸に
4th 本家

桜音side

「わかったわ。すぐに帰る。だけど明日まで待ってくれないかな？」



驚いた？もともと私はタメなの。親しい人間にはね



千代さんと璃央は確かに2人とも大事だけど使用人と執事が主と親密になりすぎたらあの2人にも迷惑がかかることになっちゃう



だからあのふたりとは一定の距離を保つために敬語にしていたんだけどね



『もちろんよ。』



「ありがとう」



それからママとはちょっと話して終わった



はぁーあ



あの人がねぇ？私を捨てたのはあの人なのに…今更私を引き取りたいなんて…




許せるわけないじゃない。だけど許せるわけなんて、ないのに未だにあの人と仲良かった頃を思い出す私はいつまで経っても成長しないわね



こんなことなら…




いや、これは考えてはいけない。




私のために動こうとしてくれてるママたちに失礼だわ
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