暗闇のピアニスト



アイを抱き上げ精一杯笑う。

入院している時は一度も笑わなかった。

『お腹空いたね。ご飯食べよ。お母さんご飯ちょーだい!』

私はアイを抱っこしながら、感だけで台所まで歩く。

アイを壁や柱に、ぶつけないよう気をつけながら。

無事台所に着いた。

アイはよく、私とほっぺをくっつけ、スリスリする。

アイにほっぺをくっつけると、アイが口を動かしているのがわかる。

私はアイのほっぺに手を当て『ごめん。もう一回話して』と言う。

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