暗闇のピアニスト
私は口を大きく開けた。
ご飯が口の中に入って来た。
『アイが食べさせてくれるの?』
するとアイが抱き着いて来た。
それがアイの精一杯の愛だと、気付いた。
私はアイを抱きしめて泣くしかなかった。
泣き疲れるまで私の側にいてくれたアイ。
私はアイの為に、明るくいようと決めた。
何故か暗闇の中に、アイの悲しい顔が見えてくる。
母の泣いてる姿や、父の落ち込んだ後ろ姿。
おじいちゃん、おばあちゃんのしょんぼりした背中が、暗闇の中にくっきりと見えた。