暗闇のピアニスト
しばらくすると図書室の扉が開いた。
「やべ…。ユリ隠れるよ」
サキは私の手を引っ張った。
私達は、図書室の端にあった、本棚の後ろに隠れた。
入って来たのは校長。
手には本を持っていた。
とても分厚い重たそうな本。
その本を本棚に戻すと、すぐに出ていった。
私は何故か、その本が気になり、校長が戻した本を探した。
『あった!』
「なにがぁ?」
『なんでもないよ〜。見たかった本があったからさぁ』
分厚い本を手にとり、表紙をめくった。