暗闇のピアニスト
あの事故から一週間がたっただろうか。
何も見えない、何も聞こえない。
こんな生活は生きた心地がしなかった。
何度も死のうとした。
でも、こんなになった私を、毎日毎日、ずーっと看病してくれている母がいる。
そう思うと死ぬ気なんて飛んでしまう。
母はこの頃、私の手に言葉を書いて、私に色んな話をしてくれるようになった。
お父さんが料理を作り出した。
おじいちゃんが洗濯をしてくれるようになったなど。