暗闇のピアニスト



そんなつまらない話でも、私は嬉しかった。

暗闇の中にいることを忘れさせてくれる。

そして私はようやく退院することができた。

家に帰ると誰かが抱き着いて来た。

小さい手…妹のアイだ。

アイはまだ五歳。

母はアイには本当の事を言っていなかった。

私はアイに心配をかけないように、いつも通りにした。

『アイ〜!たっだいまぁ!偉い子にしてたかぁ?』

< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop