イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇



トオルがコーヒーを淹れて、オフィスの中にあるサロンで休憩をしていると、ジャスティンが帰って来たのが見えた。


「ジャス、シャス」


自分のブースに向かっているジャスティンを呼び止めて、トオルは自分の居る場所に来るよう促した。
ジャティンははてな顔でトオルの元へ来ると、何?と低い声で一言そう言った。
自分で言うのも変だが、今日の俺はとにかく機嫌が悪い。
世間話とか必要以上の仕事の話とか、できれば今日はやめてほしい。


「何か可笑しな事があったら、それは謙人のせいだからな」



「何だよ、それ?」


トオルは興味本位な笑みを浮かべながら、自分の場所に戻って行った。

ジャスティンは謙人という名前を聞いただけで、不吉な予感がした。
あいつのせいでとは言わないが、ジャスティンが慎重に計画していた大切なマストな要件をグチャグチャにされた感がどうしても大き過ぎる。
でも、どっちみちこうなる事は分かっていたから、別にあいつのせいでもないんだけど…

ジャスティンはブツブツひとり言を言いながら自分のブースに入ると、濃いブルーの和紙でくるまれた真っ白いかすみ草の花束がジャスティンの机の上に置いてあった。

何だこれ??

ジャスティンの中でかすみ草の花束は変なトラウマになっていた。
凪が舞衣に花束を贈る時に、花束なんて買った事がない凪の代わりに自分が全て取り仕切った。
10万円分のかすみ草だけの花束でどれだけ俺が苦労したことか。
巨大なボールとなったかすみ草の花束を、今でもはっきりと覚えている。



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