イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇



ジャスティンはダイニングテーブルにステーキにサラダ、あと野菜たっぷりのトマトスープにライスにパンまで置いた。
木の実が相当空腹なのは分かっているが、一体、体のためにはどれ位の量を食べさせればいいのだろう。
木の実の事だから、出した分は全部平らげるに違いない。
ジャスティンはあれやこれや悩みながら、でも、やっぱりあるだけのものを全部置く事にした。


「ナッツ、できたよ」


ジャスティンがそう呼んでも何も返事がない。
ソファの方に目をやると、スースー寝息をたてて寝ている木の実が見える。
一回だけ起こして起きなかったら、じっくり寝かせてあげよう。
起きた時に、また温め直して食べさせればいいのだから。


「美味しいステーキが焼き上がりましたけど、どうする? お姫様?」


それまでぐっすり眠っていたはずの木の実の目がパチリと開いた。
さっき苺を食べたせいなのか、それともステーキというワードを聞いたせいなのか、先ほどの覇気のない目とは違ってらんらんと輝いている。
そして、起き上がった時は、すでに笑顔になっていた。


「食べれる?」



「もちろん!」


本当に木の実は面白い。
究極の食いしん坊で、それでいて、食べ物への感謝の気持ちを忘れない。
ニコニコ顔でステーキ肉のかたまりを頬張る木の実は、これほどまでに俺の心を鷲掴みにしているなんて思ってもいないだろう。

男だろうが、女だろうが関係ない。
俺は、この矢代木の実に惚れたんだ。
そういう気持ちに、理由も理屈も必要ないだろ…?







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