イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
木の実は、ジャスティンというイケメンに、これ以上の事情を突っ込まれる前に早く退散しなきゃと焦っていた。
ジャスティンは、見た目は金髪で青い瞳の外国人なのに話せば普通の日本人だった。
そのギャップが木の実の胸をキュンキュンと突いてくる。
こんな素敵なイケメン君と出会った今のこの状況は、木の実にとっては最悪としか言いようがなかった。
家がない事を何故と聞かれれば、元カレの借金取りに追われていますなんて口が裂けても言えないし、言いたくもない。
だって、こんなにも輝いているジャスティンの辞書には、借金とか家無しとかそんなワードは存在しないはずだから。
これ以上、みじめなナッツにはなりたくない。
「警備員さんには事情を説明して歩いて帰ることになったって言いますので、大丈夫です」
木の実は丁寧にジャスティンからスーツケースを受け取ると、小さく会釈をして出口に向かって歩き出した。
「ねえ!」
後ろでジャスティンが私を呼んでる?
木の実が振り返ると、ジャスティンはもう木の実の真後ろに立っていた。
「寝るとこないなら、俺ん家に来る?
結構、家広いし、全然いいよ」
「………あ、でも」
ジャスティンは最高な笑みを浮かべて木の実を見ている。
「大丈夫、何も心配ないよ。
だって俺は…
女の子には興味はないから」