イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇


ジャスティンは、木の実のスーツケースを客室に持って行く。
もともと、来客は多い方ではないが、女の子をここに泊めるのは初めての事だ。


「ナッツ、ちょっとここに来て」


木の実はまだリビングから動けずにいた。
最上階というだけでここが何階なのか想像すらできない。
きっと、朝になれば、ベランダから雲の乗り移れるかもしれないなんて、真剣に考えている自分が情けなかった。

木の実はジャスティンの声がする方へ行ってみると、そこは一流ホテルのスウィートルームのような部屋だった。


「ここを好きに使っていいから。
女の子をほとんど泊めた事がなくて、何か足りないものがあったら言ってほしい。
今から、一緒に買いに行こう」


木の実は現実じゃ起こらない事が、今、自分の身に起こっている事に、驚きと感動と感謝で涙が溢れてきた。
それ位、自分じゃ認識してなかったけど、私は相当追い込まれていた…
でも、心のどこかで甘い言葉には注意してと、もう一人の自分が叫んでいる。


「ジャスティンさん…
やっぱりおかしいです…
なんで、こんな私に親切にしてくれるんですか?
まさか、たくさんいい思いをさせて私の感覚を鈍らせて、東南アジアとかに売っちゃうとか…」


ジャスティンは、喜んだり泣いたり怯えたりするそんな木の実から、やっぱり目が離せない。
にしても、なんで東南アジアなんだ?
ジャスティンは、やっぱり笑ってしまった。











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