イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
いつもより遅い出勤になったジャスティンを待ち構えていたのは謙人だった。
謙人は、ジャスティンが自分のブースに入ったと同時に声をかけてくる。
「ジャス、おはよう」
ジャスティンは面倒臭そうに謙人を見た。
謙人は物知り顔でにやつきながらジャスティンを見ている。
「昨夜さ、あの女の子を追ってったろ?」
確かにジャスティンの隣に座っていたのは謙人で、最初に挙動不審の木の実に気づいたのも謙人だった。
「別にそんなんじゃないよ」
ジャスティンは、謙人だけじゃなく他の皆にも木の実の事は話す気はなかった。
男にしか興味がないはずのジャスが期間限定ではあるが女の子と住んでるなんて、凪が舞衣にのぼせ上がった以上にここでのビッグニュースになるだろう。
自分の行動自体を理解できていないのに、皆に突っ込まれたら何も説明できない。
「用があったのを思い出しただけだよ」
「シュウか?」
「それは違う」
ジャスティンは、朝の習慣のメールやメッセージのチェックを必要以上にやり始める。
謙人はそんなジャスティンを面白がって見た。
「なあ、謙人、邪魔なんだけど」
謙人はにやつきながら、後ろに束ねた髪をもう一度結び直す。
「ジャス、女の子に困ったらいつでも俺に言うんだぞ。
ゲイだからって、女の子を抱けないわけじゃないんだから」
謙人はナルシストなくせに、中身は誰よりも究極の男だった。
星の数ほどいるセフレの中から、何人かをジャスティンに紹介する事なんて、食事をするより簡単な事だ。