イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
店内にいた何人かのセレブなお客も奥で花束を作っていたオーナーも水田さんも、ジャスティンの美貌とそのジャスティンの視線の先にいる木の実の顔を、驚いた様子で交互に見ている。
「あ、はい、レスターさんですね…」
木の実は動揺を隠しながらそう言うと、ジャスティンを外へ連れ出した。
「ど、どうしたんですか??」
ジャスティンは腕時計をトントンと叩いて見せる。
「もう12時だよ」
木の実は顔をクシャっとして、困ったように首を横に振った。
「お昼は、オーナーから声がかからないと休憩を取れないんです。
私はまだ下っ端のペーペーだから…」
「そうなの?」
「はい、だから、ジャスティンは先に食べて下さい。
私は適当にそこのコンビニでおにぎりとか買って食べますから」
ジャスティンは目を細めて木の実を見ている。
とても不服そうな顔をして。
「じゃ、夜は一緒に帰ろう。
7時に終わるんだろ?
そこのカフェの前で待ってるから」
木の実はジャスティンの親切過ぎる理由が分からなかった。
「でも、夜は家探しに……」
「一緒に回ろう。
俺がいた方が、不動産屋になめられないですむだろ?」
ジャスティンは典型的なしつこい男になっている事に気づいていない。
何せ何もかもが初めての経験だから。
木の実は小さくため息をついて、笑顔で頷いた。
理由はどうあれ、やっぱりジャスティンの全ての表情にときめく自分には嘘はつけなかった。