イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇



「あ、お昼のご馳走、ありがとうございました。
お店の方々もすごく喜んでいて、お礼を言ってて下さいって」


ジャスティンは車を運転しながら、チラッと木の実を見る。


「ごめんな…
俺が店に行った事でナッツが困ったんじゃないかって、気になってたんだ。
大丈夫だった?」


木の実は何も言わずにコクンと頷いた。
ちょっとだけ兄の事で嘘をつく事になったけれど、それ以外は何も困っていない。


「で、今日は、どこに向かえばいいの?
どこでも連れて行くから、遠慮なく言っていいよ」


木の実はそっちの方が困っていた。
今から行く物件は、ジャスティンが一緒に見に行くような所じゃない。
一番安くて敷金等がかからないアパートは、きっと、ジャスティンにとっては人間が住む所じゃないはずだから。
でも、こんなに張り切っているジャスティンを連れて行かないわけにはいかない。

木の実は、今日は、二件の物件を見る予定だった。同じ不動産会社でお願いしている。
ジャスティンが信号待ちで運転を止めた時に、木の実のスマホに保存している不動産会社の住所を見せた。


「どこ?ここ?
結構、遠くない?」


ジャスティンは眉をしかめながら、慣れた手つきでカーナビをセットする。


「多分、俺は初めて行く場所かも」



「あ、はい…」


私も初めてです…
何せ強烈に安いお家賃の物件ですので…





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