イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
ジャスティンは、夜になっているせいか、お化け屋敷にいる気分だった。
まずは、そのアパートの入り口に行くまでに、建物と建物の間にある細い小道を歩かなければならい。
街灯もなく女の子が一人で歩くなんて絶対にあり得ない。
「ここの2階になります」
鈴木はそう言うと、その小さな入口にある小さな靴箱に靴を入れ小さく急な階段を上り始めた。
「ジャスティンはここで待っててもいいよ。
だって、このアパートのサイズはジャスティンには小さ過ぎるから」
確かに小さいとそう思ったが、でも、こんな暗くて狭い部屋を木の実が契約するかもしれないと思えば、行かないわけにはいかない。
「大丈夫、行くよ」
ジャスティンは靴を脱いで腰をかがめながら、そのきしむ音がうるさい小さな階段を上り始めた。
「この物件は一応お風呂とトイレはついてます。
部屋は4畳半ですが、昔の作りなので今で言えば5畳ちょっとあると思いますよ。
窓はこの一つで、家賃が安い理由の一つに、ベランダがない事と、あと洗濯機置き場もないので、お風呂場の中に置くことなんです」
ジャスティンは天を仰ぎたくなった。
風呂場に洗濯機??
風呂場に洗濯機を置いたら、残りのスペースは風呂の小さな浴槽しかなくなるじゃないか。
あと、あの小さな窓もあり得ない。
ナッツも鈴木という人間もあえて窓の先の風景には触れない理由は、窓を開けたすぐ先は、隣のビルの壁だった。