イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
木の実とジャスティンは不動産屋の用事を済ませ、ジャスティンの家の近くのレストランで夕食を取った。
木の実にしてみれば、まだ続くはずの物件見学をジャスティンによって強制終了された感が否めない。
でも、ジャスティンに連れて来られた超豪華なレストランで、美味しい料理を目の前にして何も反論できない自分が情けなかったし、いや、でも、きっと、ジャスティンを相手に最初から反論する気なんてないのも分かっていた。
「今日はちゃんと話してもらうからな」
ほら、こうなる事が分かっていた。
木の実は、食べるのに夢中で何も聞こえません的なオーラを必死に出す。
「あ、そういえば、今日、お客様からジャスティンの情報をちょっと仕入れました」
木の実は話を上手くすり替えることができ、ちょっと安心した。
「ジャスティンってイケメンエリート軍団の一員なんですね?
って言っても、そのイケメンエリート軍団っていうのも初耳だったんですけど」
木の実は前菜を平らげると、やっと顔を上げてジャスティンを見た。
「俺の話はどうでもいいんだけど…
ねえ、それより、なんであんな安くて古いアパートを探してるんだ?」
木の実は、パンにバターを塗る事に必死になっているふりをする。
「ジャスティンは、5か国語を操るって本当ですか?」
木の実は負けずに話の主導権を取り戻した。
だって、こんなお金持ちでイケメンエリートの青い目の王子様に、自分の悲惨な状況を知ってほしくない。