イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
木の実はきっちり7時まで働いて、その上オーナー夫妻の片付けまで手伝った。
それでもまだ8時にしかならない。
実は、木の実は、昼休みの間にまた新しいネットカフェを探していた。
でも、そのカフェは夜の11時にしか入店できない。11時以降の入店ならば値段がグンと安くなるからだ。
木の実は“モナンジュ”の入っているビルの正面にある、更に豪華なビルに吸い込まれるように入っていった。
ただどんなビルか偵察するために、何の気なしに入ったのが失敗の元だった。
そのビルは、飲食店が並ぶフロアかホテルに続くエレベーターしか動いていないようだ。
いや、動いているのかもしれないが、一般人はきっとそのエリアにしか入れないようになっている。
スーツケースをゴロゴロ転がす木の実は、セレブの人達の目を引くらしく、すれ違う人に必ず二度見された。
木の実はとりあえずレストランの多いフロアに行く事にした。
きっと、値段が高くてどの店にも入れないのは分かっていたが、時間稼ぎにこのビル内を見学するつもりだった。
エレベーターに乗り込んだ木の実は、もうこの時点で場違いな場所に来てしまった事を後悔していた。
決して見た目は悪くない方だとは思っている。
身長も165cmはあるし、友達からはモデルみたいとも言われた事がある。
でも、今日の格好はまずかった。
ジーンズ生地の幅広のワイドパンツに紺と白のボーダーシャツ、その上によれよれの緑色のカーディガンをはおり、足元は白のコンバースといった具合だ。
絶対、浮いてる…
いや、確実に、浮いてる…