イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
ジャスティンは、シュウを連れてエレベーターに乗った。
ナッツは見世物じゃないが、でも、シュウの条件を飲まないわけにはいかない。
「シュウ、見るだけだぞ。
多分、今、シャンパンを飲みすぎて酔って寝てるんだ。
寝顔を見たら、即、帰ってほしい、頼む…」
シュウはまた返事をしない。
自分の嫉妬のような気持ちをジャスティンに悟られたくはない、でも、ゲイだったはずの男を数日で我が物ににした魔女のようなその女には、抗えないほどに興味があった。
ジャスティンは玄関に着くと、シュウに静かにしろと目で合図する。
リビングからテレビの音が響いてくる。
頼むから熟睡しててくれよ…
ジャスティンがリビングに入ると、ソファに寝ているはずの木の実の姿がない。
「あれ?」
ジャスティンの後ろを歩いていたシュウもリビングを見回した。
ジャスティンはシュウの存在も忘れ、奥にあるゲストルームを覗いて見た。
「いない…」
シュウは何も言わずに、狼狽するジャスティンを見ている。
そんなに、この場所に居ないだけで、人生の終わりのような顔になるか?
家の中をウロウロ捜し回るジャスティンはほっといて、シュウは、リビングにあるベランダから東京の夜景を見ようと外に出た。
シュウは腰が抜けるほど驚いてしまった。
そのジャスティンを虜にしている女の子は、53階の高い場所にある冷たい強い風が吹きすさぶベランダの長細いスペースで、毛布にくるまって寝ていたから。