イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
「ジャス、ジャス」
シュウは中に居るジャスティンを呼んだ。
ジャスティンは、クールなシュウが驚いている様子に嫌な予感がして、心臓があり得ないほどに高鳴り出す。
「その子、ここにいる。
多分、寝てる。死んではいないと思うけど…」
ジャスティンは、シュウの口から出た死ぬという言葉だけに反応して、もう目の前が真っ暗になっていた。
ヨロヨロとベランダまでたどり着くと、ベランダの隅にフェイクの芝生を少しだけ敷き詰めているスペースに、木の実は倒れていた。
「い、息、してるよな…?」
シュウは完全に腑抜け野郎に成り下がったジャスティンを無視して、その女の子の近くに行き肩をトントンと叩く。
「そんな所で寝たら風邪引くよ」
シュウはそう言って、今度は木の実のほっぺを軽く叩いた。
すると、恐ろしいほどの勢いで木の実の目が開いた。
シュウを見ているのか、真上のベランダの天井を見ているのか、全く焦点が合っていない。
シュウはその女の子の綺麗な瞳をずっと見ていた。
素顔に近い顔なのに、肌が透き通るほどに白い。
3秒ほど目を見開いた木の実は、また恍惚の表情を浮かべ目を閉じる。
「ねえ、起きなきゃヤバいと思うよ」
その言葉にもう一度目を開けた木の実は、知らない男がいる事に初めて気づいた。
「あ、あの…
あなたは、どなた様ですか…?」
シュウは可笑しくて、後ろに立っているジャスティンを見てからこう言った。
「僕?
僕は、ホモ様、ジャスティンの彼氏だよ」