イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
木の実の思考回路はショートしていた。
初めて味わった苺入りの美味しいシャンパンを飲み過ぎた事と、ジャスティンからの甘いキスで、物事を考える気力も能力も何も残っていない。
でも、今、目の前にいる知らない男は、確実にイケメン男子だ。色黒の顔に短髪の黒髪、目元は切れ長のスッキリとした目。
何の匂いか分からないけれど、凄くいい匂いがする。男の人がつける香水なのかな…?
木の実は朦朧とした頭の中で、そんなどうでもいい事を真剣に考えていた。
すると、誰かが木の実の体をスッと持ち上げた。
大好きな柔らかい毛布もしかっり木の実の体に巻き付けたまま。
「あ、ジャスティン…」
木の実はジャスティンの首元に顔をうずめると、安らぎと落ち着きで一気に心が穏やかになり、また睡魔が襲ってくる。
「な、なんか、お客さまみたい…
ホモ様と言う人が、ここに…来てる……」
木の実は閉じてしまう瞼を必死に開けながら、ジャスティンにそう報告した。
「誰も来てないよ…
ナッツは夢を見てたんだ。
ベッドに連れて行くから、もうそこで寝た方がいい」
ジャスティンはベランダに立っているシュウを睨みつけると、木の実を抱いてゲストルームに向かった。
シュウはそんなジャスティンを切ない気持ちで見た。女の子がイケイケタイイプなら、ちょっとだけ怖い物見たさの一過性のものだと思っていた。でも、あれは、女の子の全てに惚れている。
俺を睨むジャスの目は、完全に雄の目だ。
自分の物という絶対的な印をつけたかのような、捕食動物と同じ目をしていた。