イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
木の実は日曜日の仕事を済ませると、電車に乗って埼玉の方にあるトランクルームへ向かった。
昨夜は、色々な事があり過ぎて一睡もできなかった。
この数日間の幸せな日々は、幻想だったのかもしれないと思えるほどに…
ジャスティンの家を出てから、ずっとジャスティンの事だけを考えている。
ジャスティンにちゃんと考えると約束した事もあるけれど、でも、無意識の間も別の事を考えている時も、常に頭の中にジャスティンの言葉が歌のように流れていた。
雨の日曜日のせいか、夕方なのに電車の中は空いている。
車窓から見える灰色の街並みは、今の私の心の中を表しているようだ。
孤独という寂しさをほとんど感じた事がなかった私は、今のこの寂しさにどう付き合っていいのか全く分からなかった。
都会の景色は、いつの間にか田舎の景色に変わる。
ジャスティンが私に与えてくれたキラキラした日々が、もう、懐かしくてたまらない。
胸に手を当てて考えなくても分かっている。
時間をかけて考えなくても、もう答えは出ている。
私はジャスティンが好き…
あの夜、地下の駐車場でジャスティンと出会ったあの時から、きっと私は分かっていた。
何も危険を感じる事なくジャスティンの家に居候した私や、ジャスティンの善意に躊躇することなく甘えてきた私は、ジャスティンに会った瞬間にもう守られているようなそんな不思議な感覚を覚えていた。
でも、あの問題は、そんな私の心に問いかける。
ジャスティンの今の気持ちは一時的なもので、また、男の人に戻っちゃうかもしれないよ……