イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
木の実はトランクルームの解約手続きを済ませ、火曜日のトラックが着く時間にまたここに来る事を告げその場を後にした。
トランクルーム代を払い引っ越し料金を差し引くと、木の実の貯金は底をつきた。
でも、今日と明日の分のネットカフェの代金はかろうじて残している。
屋外での寝泊まりだけは、絶対に避けたかった。
だって、ジャスティンに次に会った時、ばつが悪い思いはしたくなかったから。
そして、新しいマンションの経費はモナンジュのオーナー夫妻に甘え、今度の給料から引いてもらうことになっている。
しばらく辛抱すれば、まともな生活を送れる日々もそう遠くない。
とにかく、この一か月を乗り切らないと……
木の実は、帰りの電車の中でウトウト眠ってしまった。
夢の中の私は、あのブルーのワンピースを得意げに着ている。
色もデザインも着心地も全てを気に入っているあのワンピースは、私の体の一部のように私と一緒にクルクルと回っていた。
ジャスティンが私のために選んで買ってくれたこの大好きなワンピースを、私は、何で置いてきてしまったのだろう…
電車に揺られながら、木の実は寝ぼけながら泣いた。
今の自分が情けないからではない。
ジャスティンのセクシャリティにどうしてもこだわっている自分が許せなくて悔しくて、そして、その事に苦しんでいるジャスティンの切ない顔が頭から離れないせいだった。