イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇



月曜日の朝、木の実はいつもの時間より一時間早く出勤した。
水田さんが子供の参観日で、午前中に休みを取っていたからだ。
木の実にも好都合だった。
頭をすっきりさせるためにも、働いて忙しくしていたい。
ジャスティンへの答えを見つける事だらけの、頭の中を一掃したかった。

お昼の12時になると、水田さんが出勤してきた。


「木の実ちゃん、木の実ちゃんのタイミングでお昼に行っていいからね~」


奥の方からオーナーの声がした。


「は~い。了解しました」


木の実は更衣室でエプロンだけ外し、コンビ二におにぎりを買いに行こうとした。
水田さんに、何か買い物があればついでに買ってきますよなんて話していると、入口をちらちら覗いている男性が目に入る。

水田さんが接客に行くと、その男性は店の中に入って来た。
あまりのイケメンぶりに水田さんは顔が赤くなっている。
木の実はその男性に見覚えがあった。


「あ、いた」


そのイケメンは木の実を指さしてそう言うと、木の実の顔を見て照れくさそうに笑った。


「け、謙人さんですよね…?」


奥の方からオーナー夫妻も顔を出す。
今、入って来た二人組の女性のお客様も、謙人を見て息を飲んでいる。


「ちょっと話がしたいんだけど、いいかな…?」


その店にいる全員は一斉に木の実を見た。
都市伝説化しているイケメンエリート軍団のメンバーが、何で何度もこの店に木の実を尋ねて訪れるのか?
皆が木の実に目で合図をする。

早く行きなさいと…






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