鬼が往く
何とか動ける組員が、携帯で救急車を呼ぼうとする。

と…「!」

破壊され尽くした事務所の前に、1人の男が立っている。

煙草をくゆらせている、金髪の男。

「わりゃあ…沢渡 銀二!」

「……」

銀二はポーカーフェイスのまま言う。

「よく聞けドチンピラ。これはまだ序の口だ。テメェら関西明石組が東京を出て行かねぇなら、俺がテメェらを永遠に追い込みかけてやる。事務所も組も一個ずつ潰して、関西明石組1万人皆殺しにしてやる」

最後に煙草を吸い終えると、銀二は吸い殻を指で摘まんだ。

それをタンクローリーの方に向ける。

「よ、止せ!やめてくれ!」

叫ぶ組員。

しかし銀二は容赦なく、吸い殻をタンクローリーに投げる。

満タンに積載されていたタンクローリーのガソリンに引火。

たちまち大爆発し、事務所は炎上した。

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