鬼が往く
警察までもが動き、街全体が異様な雰囲気に包まれた3日後。

再び火種が起きた。

警戒中のパトカーがいたにもかかわらず、そのパトカーを押し退け、大型ダンプが組傘下の事務所へ突入。

ダンプは無人だったものの、犯人は銀二に違いなかった。

この事件で、組事務所に詰めていた構成員13名が死傷。

ここまで一方的に銀二にやられっ放しの明石組は、怒り狂っていた。

…一方抗争による危険自体は歓迎していないものの、都民の中には表立たないまでも、銀二の行動を英雄視する者もいた。

突如東京進出を画策し、侵攻してきた関西明石組よりも、やり方こそ過激ではあるものの、明石組に徹底抗戦する銀二に味方するのは当然の事と言えた。

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