鬼が往く
銀二包囲網
神楽坂を倒し、銀二が立体駐車場から出てくる。

と…「!」

突然缶コーヒーが投げ渡された。

「派手にやってるわね、沢渡」

それは、紗智だった。

「尾行でもしてたのか?」

「氷室署捜査四課を嘗めてもらっちゃ困るわ。氷室町内の暴力団員の情報は全て把握してるわよ。その身辺を動き回る人間の情報もね」

「お前四課か。そんなギャルみたいな格好しといて」

「繁華街は動きやすいのよ、こういう格好の方がね」

「……」

銀二は黙って缶コーヒーを開ける。

「沢渡、もう止めにする気はないの?関西明石組は、まだ本腰を入れてないわ。貴方が保護を要請するなら、四課の方で身辺警護させてもらうけど」

「やめてやるさ。明石組が出て行きゃいつでもな」

紗智の言葉に、そう答える。

銀二は一歩も退く気はなかった。

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