鬼が往く
尚も殴り合いは続く。

「沢渡ぃっ!」

根津が銀二の胸倉を摑み、顔面に頭突きを入れる!

鼻血を噴き出し、よろめく銀二。

しかし。

「嘗めんなコラァッ!」

銀二も根津の髪を摑み、反撃の頭突き!

「ぐ…お…」

軽い脳震盪を起こし、根津はよろめいた。

「やるやないか…頭突き(パチキ)もええもん持っとる…のっ!」

根津の右フックが銀二の顔面に炸裂!

だが拳を食らいながらも、根津の腹に蹴りを入れている。

結果はまたも相討ちだった。

「成程のぅ…神楽坂や釘宮がやられる訳や…この俺と対等の喧嘩しよるとはのぅ…」

「ほざいてんじゃねぇよ…」

言いつつも、両者は不敵に笑む。

明らかに、この喧嘩を愉しんでいた。

< 36 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop