鬼が往く

多くの野次馬に囲まれながらも、銀二と根津の殴り合いは続く。

「だらああああっ！」

銀二の右アッパーが根津の顎を捉える！

一瞬意識を飛ばされる根津。

だが。

「っとんじゃボケがあっ！」

根津は左手に付けていた腕時計をメリケンサック代わりに右手に握り込み、右ストレートを叩き込んだ！

「が…あっ！」

流石にこれは効いた。

強烈な衝撃によろめく銀二。

その隙に根津は銀二の髪の毛を摑み、顔面に何度も拳を打ち込む！

「しぶといんじゃワレェ！ええ加減死にさらせや！」

狂気の表情で殴り続ける根津。

しかし。

「テメェだゴルァアァッ！」

銀二は根津の鳩尾にボディブロー！

根津は嘔吐した。