バーカ、お前が好きだよ...。
女の扱い方講座⁉︎
部活が終わり、昌浩は蓮に声をかける。

「宇多野先輩!」
「おお!長野どうした?」
「先輩に聞きたいことがあるんすけど」
「なんだ?言ってみ」

ペットボトルの水を飲んでいた蓮。
「女子にモテるにはどうしたらいいんすか?」
「ぶー、ゴホッゴホッ」
蓮は水を吹き出してしまった。
「大丈夫っすか?」

「お前が変なこと聞くからだろ。ちょっとラーメン屋でも入ってゆっくり話すか?」


「はい、ラーメン屋で話すことですか?」
「いいんだよ、どこだって」
「はい、それじゃあ」
2人はラーメン一徹という名前のお店まで歩く。

ラーメン屋に入り。
「いらっしゃいませー」
「長野お前なにするんだ?」

お店の壁にかけてあるメニュー表を見る。
「えっと、じゃ味噌ラーメンで」
「あいよ。じゃそっちのイケメン兄ちゃんは?」

「俺は、塩ラーメンで」
「あいよ」

「やっぱり、先輩はカッコイイんすよ。お店の人もイケメンって認めたじゃないですか!」
「そうでもないと思うけどな、長野」
「はい」

「いや、俺もそっちのアニメちゃんイケメンだと思いますよ」
お店の人も認めた。

「やだな、2人して。俺なんにも持ってないから」
「いやあ、イケメンはいるだけでいいんですよ」
お店の人もちょいちょい口を挟む。

「それは、ありがとうございます」
「いいですね、先輩は。イケメン、イケメンって言われて」
昌浩は少し拗ねている。

「お前、モテたいか?女に」
「そりゃあ、まあ」
「彼女いない歴何年だ?」

「はあ、16年です」
「そうか、じゃキスの経験は?」
「ないです」
「じゃあ、あっちの方は?」
「あっちって?」

「キスの続きにする行為だよ」
「ああ、ないっす」
「そうかあ」
「やっぱり、経験ないときついっすか?」

「まあ、そういう雰囲気になった時自然にできた方が、女をドキドキさせられるからな」
「そういうもんすか」

「まあな。女って自分から誘うの恥ずかしいから、男からのアクション待ってるんだよ」
「へい、味噌ラーメンお待ち!」
「あ、ありがとうございます」

「先に食べろよ。伸びちゃうから」
「すいません、お先に」

「兄ちゃん達は、下ネタの話かい?」
「ええ、下ネタというか。女にモテる方法ですかね」
「へえー、青春してるね。まあ、頑張れよ」
「はあ」
お店の人と昌浩の会話。

「まずはだな、いきなりあっちに流れるのはあり得ねえから。まず女友達を作れ」
「ああ、なるほど」

「 最近のJKは、発達してるから案外といけるかもよ。丁寧に教えてくれたりしてな」
「先輩!」
「へい、塩ラーメンお待ち」

「ありがとうございます」
蓮も食べ始める。

「経験のない男子に、傷つくようなことは言わない。最初はな、嫌かもしれないけどそれをきっかけに男が慣れればいいんだ」
「そんなもんすか。でも、一番最初は男も緊張するだろうなあ」

「それよりも女友達ができないと、それすらさえも経験できないからな」
「はい」

「それより、長野。女から告白されたことは?」
「中学の時に一回だけ」

「おう!それなら良かった」
蓮は、いきなり昌浩の肩を叩く。
「どうしてですか?」

「考えてもみろよ。告白されたってことは、お前がいいと思って告白したんだから。魅力があるってことなんじゃないか?」
「そうか!じゃ、僕もまだ捨てたもんじゃないってことっすかね?」

「そうだよ。世の中には告白されない男も巨万といるんだから」
昌浩の背中を思いっきり叩く蓮。

ラーメンを食べていた昌浩は。
「ぶっ、ゴホッゴホッ」
「大丈夫か?悪い」

「大丈夫っす」
「長野、お前もイケメンの部類に入るから大丈夫だ」
「イケメンの部類ってなんすか?」
「まあまあ、その辺は気にするな」

2人ラーメンを食べ終わり、会計を済ました。
「ありがとうございましたー。兄ちゃん達頑張れよ」
「あ、どうも」

「美味かったな、一徹のラーメン」
「はい、美味かったっす」

「長野!」
「はい」

「とっておきのこと教えてやるよ」
蓮は昌浩の肩を組んで。
「なんですか?」

「例えばだぞ。彼女とデート中だとする。女って仕草とか表情とか可愛いって思える瞬間があるんだ」
「はしゃいでる時ってことっすか?」

「うん、そうだ。そういう時の彼女の顔はなほんとに可愛い顔するんだ。そこで彼女の名前を呼んでキスする。今の顔可愛いかったからついごめんなって感じで」
「なるほど」

昌浩も真剣に聞いている。
「そうすると、オンナはドキドキして、もっと恥ずかしがる。また、そこでキス。そこまでできたら、あとはさりげなく手を繋ぐ。そうすると女は自分を好きなのか?って思い始める」

「はあ、凄いすね。先輩女子の気持ち分かってますね」
「で、次は重要なだぞ。次会う約束をする。もちろん連絡先もGetしてな」

「男って色々やることあるんすね」
「そうだ、なんでも男ってわけじゃないけど。まずはレディをエスコートする、それが大人の男だ。難しかったら彼女に気遣いするだけでいい。それだけで女はイチコロだから」

「先輩!参考になりました。僕頑張ります!」
「おう!応援してるからな。また、聞きたいことあったらいつでも手ほどきしてやるからな」
「話しだけでいいっすから」
「当たり前だろ?俺と実践したいのか?」
「いやいや、実践するのは女がいいっすよ」

「そうだろ?男同士で試してどうする。ホモじゃねえんだからよ」
「そうっすね」

「ところで、先輩は彼女いるんすか?」
「長野、直球で聞いてくるなあ」
「実は、いない」

「じゃ、頑張りましょう!僕達」
「そうだな。僕達はまだ、DKだからな!」
「先輩、DKってなんすか?」

「おい、知らないのか?」
「はあ」
「DKは、男子高校生の略だ。Dは男子、Kは高校生。女子高生はなんだか分かるか?」
「JK?」

「そうだ。お前もうちょっと勉強しとけ、女の扱いをさ」
「はい、分かりました。長野昌浩頑張ります」
「よし、その調子だ。じゃあな」
「はい。また明日」

2人は、何故か清々しい気持ちで家に帰った。

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